☆今日の時事問題☆彡時事問題とニュース百聞
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2007年05月11日
砂漠化の防止とNGOの活動
各国政府が砂漠化防止条約の細部について交渉を行っていたとき、 50以上の地元と地域のNGO が、その問題に関する直接的行動を起こした。パリにおける条約交渉の最終段階において、60人以上の主としてアフリカのNGO 代表が積極的な請願活動を行い、地元コミュニティの関与が確保されるよう要請したという。条約確定後の7カ月間、NGO は砂漠化防止活動のための独自の会議を Ouagadougou からナイロビに至る各地で開催したのだった。
「砂漠化防止条約は、NGO が今後の活動を展開するための土台を築いた。しかし、同時にそれは、NGO にコミュニティへの情報伝達と動員について大きな期待を掲げた。」と国際環境連絡センター(ELCI)の Heinz Greijin は国連総会で言及した。
NGO は、情報伝達と動員のために次のことをやった。@砂漠化についての電子メール(e-mail)会議の設置。AヨーロッパにおいてNGO への支援を求める会議の開催。B「持続可能な開発に関する委員会(CSD)」への貴重な情報提供。Cパキスタン、ケニア、マリ、ペルー、ブルキナファソ およびカナダにける意識啓発活動。さらにD砂漠化防止に取り組むコミュニティベースの組織やNGO が情報を共有し、連携を深められるように、砂漠化に関する世界的なネットワークを形成した。このネットワークは、国際レベルで交渉されてきた条約と、コミュニティレベルの人々との間の橋渡し役となることをその目的とする点で非常にユニークといえるだろう。
ELCIは、砂漠化や他の環境問題への取り組みにコミュニティグループを動員するための努力を続けているそうだ。その数多くの活動の一環として、世界各地の開発途上国で、コミュニティグループが政府代表者や国際的専門家と話し合う会議を開催しているのである。
2007年05月10日
砂漠化の対策とセネガルの成功例
西アフリカの国セネガルのダカールから北へ200kmの地に住む500人以上の村人は、最近、砂漠化防止に関して、コミュニティと支援組織のパートナーシップ事業による恩恵を経験したのだという。
村の複数のグループが、国連開発計画(UNDP)と World Vision International からの少額の資金援助をもとに、先祖伝来の地の居住可能性への潜在的脅威と映った問題の克服に立ち上がったのだ。Louga 地域は長い間、生態系の安定を欠いてた。それは、干ばつやペストなどの自然の猛威に繰り返し襲われ、また、不適切な農地政策の犠牲となって自然資源の過剰利用を強いられたためであった。その結果、土壌の慢性的劣化、植生の減少、住民の大量出村、および放牧地の不毛化が生じていたのだという。
コミュニティグループは、この問題への対策として、手動ポンプ付きの52本の小さな井戸を掘った。その結果、豊かな地下水が水の需要を満たし、さらにポテト栽培用の小さな潅漑農地を設けることができたのだ。村人達は、環境と諸問題との関係についての教育を受けることによって、自分達の重要な役割を理解するようになり、解決策は長続きするものになったという。さらに、村人達は独自の方法を発展させはじめた。その一例として、燈台草に囲まれた一画にアカシアの樹を育て、そこで多年生の作物、例えばキャッサバや野菜を栽培し、土壌を有機的に肥沃化する事に成功したのだった。。
現在、コミュニティは、豊富でより持続的な地下水資源によって水需要を満たし、同時に潅漑によって、ポテトのような換金作物による収入を確保している。
タグ:砂漠化対策
2007年05月09日
砂漠化問題とその対策
砂漠化を効果的に防止するためには、行政府によるトップダウン型の対策とコミュニティからのボトムアップ型の取り組みが必要である。世界の乾燥地を、人々の持続可能な生計を維持しながら、全体として食料増産につながるような仕方で管理していくことが重要である。過去数十年間、様々な方策が試みられた。それらは、例えば、植林、遮蔽物や緑地帯の造成、砂丘の安定化、既存保護林の保全、複合林業の導入、公共林地の設定、土壌と水の保全対策などなど。しかし、国や地域の多数の活動計画が政治的決断の不足、資金不足、および巨額の国外債務によって妨げられているのが現状である。
1977年の国連砂漠化会議(UNCOD)は砂漠化が地球的規模の問題であり、実用的な解決策を見い出すためにはすべての国々の協力が必要であることを認知した。17年後、世界中の乾燥地の劣化を防ぐための国際法が百カ国以上によって合意された(砂漠化防止条約)。1992年のリオデジャネイロでの地球サミットの要請に基づくこの「砂漠化防止条約」は、乾燥地の劣化に対抗するための、国、地域、および地元における活動の枠組みを定めた。また、「砂漠化防止条約」は国際的な行動、例えば、十分な資金運用、砂漠化防止技術の移転、情報交流、研究・研修活動などを求めている。
この合意は、国々に、地元住民、政府、および国際コミュニティを結集するボトムアップ型の取り組みを要請している。この合意の交渉過程では、かつてないほど多くのコミュニティや国際組織が関与したという。砂漠化との闘いには、土地で働く人々と直接的に接している草の根グループや NGO が重要な役割を果たすということが次第に認知され、それがこの条約のアプローチに反映されている。この条約は、NGO に国内活動の立案と実施、および砂漠化防止基金の運用を委ねたのだった。
2007年05月08日
砂漠化と現在の状況
砂漠化は、100カ国以上で10億人近い人々の暮らしと生命を脅かしている深刻な問題である。砂漠化の影響を被っている全面積は、地球上の陸地の3分の1に及ぶという。これらの地域に住む人々は、土地がもはや生活の支えとしての役割を果たせなくなったために、家を捨て、移住しなければならない危機に瀕しているのだ。砂漠化防止のために大きな努力が払われてはいるが、問題は悪化する一方である。ワールドウォッチ研究所によれば、毎年、大陸上の240億トンの表面土壌が失われ、しばしば、ひどい砂漠化に至る状況が発生しているそうだ。
砂漠化は、多くの人が考えるような、単なる砂漠の拡大のことではない。それは乾燥地がじょじょに劣化していく過程のことである。具体的には、本来安定していた環境が、地球温暖化を要因とする気候変動(気候的要因)や土壌侵食、過剰放牧、過剰栽培、不適切な潅漑、森林伐採などを通じて人間の手で劣化(人為的要因)させていくことを意味している。砂漠化は他の多くの生態系の問題をも引き起こしている。例えば、生物多様性の損失や淡水資源の枯渇などの要因でもあり結果でもある環境問題である。従って砂漠化防止のための、強力で迅速な対策がとられない場合には、環境問題の災いをさらに大きくすることにつながるのである。また砂漠化は、極端な貧困の結果と原因にもなっているのである。
戦争や紛争が勃発している地域は砂漠化の危険性が高いとされる。増大する避難民は、しばしば一時的な仮住まいの地に安住を求めるが、結果として難民キャンプの周囲に、広範囲な土地劣化や森林伐採をもたらすからである。
また、人口の急増は、条件の悪い地域への農地の拡大をもたらす。その結果、土地の細分化、森林伐採が増加し、その結果砂漠化が生じる。また、殺虫剤やその他の化学物質の過剰使用も土壌の肥沃さの損失、劣化を進行させ砂漠化の要因となるおそれがあるのだ。
砂漠化による生活維持システムの劣化は、深刻な社会的、経済的崩壊を招く。砂漠化によって、住民とコミュニティの生活維持能力が損なわれ、干ばつなどの極端な場合には土地がもはや生活を支えきれなくなり、人々はしばしば村を去って都会に移らざるを得なくなっているのである。人々の消えた村に残るのは、もう何の開発も不可能な社会生態学的状況である。
砂漠化を被っている大部分の国は開発途上国だが、砂漠化は、国際的観点から捉えられるべき問題である。なぜなら、それは政治的国境を横断し、すべての大陸で生じている問題だからだ。砂漠化は多数の要因の複合的相互作用の結果であり、その要因には外部的要素、例えば、世界経済の情勢、物価、利子率、エネルギー輸入、文化様式、および条件付援助事業などが含まれる。これらの外部的要素は内部的要素、例えば、不適切な政治・政策体制、低い環境投資水準、および高い人口増加率などと複合して、適切な土地管理を妨げ、砂漠化の悪化をもたらしているのが現状である。
現在の世界経済システムも、問題の一端を担っている。それは、自給生産に基づいていた先住民の経済システムを急速に大量商品生産の世界経済に巻き込み、先住民にしばしば土地の過剰耕作を強いることになる。貿易と構造調整計画、そして不適切な技術移転がさらに問題を悪化させている。多くの開発途上国の経済が、自らでは制御不可能な世界市場への第1次産品、例えば換金作物の輸出にひどく依存している。このことがしばしば傷つきやすい乾燥地資源の過剰利用を招いているのである。
砂漠化による植生の消失は動植物の絶滅をもたらし、生物多様性の損失につながるおそれも指摘されている。乾燥地は多様な食料と医薬品の供給源である。砂漠化による植生の消失は、貴重でかけがえのない遺伝物質の損失になっているのだった。
2007年05月07日
地球温暖化と砂漠化 砂漠化のメカニズム
@砂漠化とは?
しばしば地球環境問題の一例として、地球規模での砂漠化現象が挙げられている。人類が農業を始めるようになって、多くの地域が砂漠化しているのだ。エジプト、メソポタミア(現在のイラク)、インダスなど、古代文明の栄えた地域は、乱開発により完全に砂漠化しているのだ。文明の栄えた初期には、これらの地域には森林が広がり、非常に肥えた土壌を誇っていた。土地が砂漠化した結果、食物が育たないようになり、土地の水分が失われ、最終的に雨が降らなくなってしまった。現在も世界中で、砂漠の面積は増え続けている。1年の間に約600万ヘクタール(九州と四国を合わせた程度の面積)が砂漠化しているそうだ。
余談だが、中華人民共和国(中国)では、中国全土のおよそ28%がすでに砂漠化している、しかも砂漠化のテンポは高まっているというのが現状のようだ。砂漠化率28%という数値は、中国の社会科学者の間で公知の事実としてお互いが共通に認識するものとして広がっているという。北京の周辺にまで砂漠化が進んできているというから、飲料水の確保というテーマが、現在非常に難しい問題になってきているようだ。
砂漠化は、干ばつなどの自然的な原因のほか、薪炭材の過剰な採取、放牧地の再生能力を超えた家畜の放牧や、過耕作、不適切な潅漑による農地の塩分濃度の上昇などの人為的な原因により、地球規模での砂漠化が着々と進んでいる。この自然的な要因と人為的な要因両方の背景には、開発途上国の貧困、人口増加といった社会的・経済的な要因も存在する。砂漠化問題に国際的に取り組むため、アジェンダ21に基づき、砂漠化防止条約交渉会議が始まった。この結果、1994年6月に砂漠化防止条約が採択され、同10月には条約署名式典が開催されたのである。
A砂漠化が起こる原因と地球温暖化との関係
砂漠化が起こる原因は、気候的要因と人為的要因の2つに大きく分けることができ、この2つの要因が相互に影響しからみ合って砂漠化が進行していくとされる。さらに、砂漠化が進行すると、もっと気候の変動(気候的要因)や過放牧(人為的要因)が増加するなど、悪循環によりますます砂漠化が進展してしまう構造になっているのである。
地球温暖化と砂漠化との関係については、不確定な部分が多く、必ずしも明確ではない。しかし、IPCC(1995) によると、近年、世界各地に異常気象を引き起こすエルニーニョ現象が頻発するようになり、かつ、サヘルを含む北半球亜熱帯で、ここ数十年乾燥化が進んでいることから、局地的な異常気象が回復不可能な土壌劣化を引き起こし、それが砂漠化の引き金になりうることから、地球温暖化の問題と砂漠化を関連づけて、そのメカニズムを検討する必要があるだろう。
2007年05月05日
日本の削減量の内訳と現状
日本の削減量6%については、1990年(代替フロンについては1995年)を基準としている。また、京都議定書目標達成計画で、それぞれの温暖化対策要素ごとに削減目標を定めているようだ。
@エネルギー消費に関係する二酸化炭素排出量の削減 0.0%
日本より高い削減目標を掲げた EU などの西欧諸国が抑制に努めているのに対し、日本ではプラスマイナス・ゼロどころか +8% と増加しており、この状況になっても政府当局は効果的な対策を実施できずにいることから、目標の達成は既に難しいとされているようだ。
工場等からの排出量は割り当てられた目標を達成し逓減傾向にあるものの、運輸・業務(事業所等)・民生部門での増加が目立っている。特に自動車の氾濫により自家用乗用車については 2004年現在で +52.6% もの著しい増加を見せており、全国で見ても総排出量の 16% を占めているようだ。
削減どころか増加している自動車および業務・民生部門への対策として、近年、環境税の手法も検討されている。環境税のうち特に炭素税については、二酸化炭素排出量に対して直接課税を行う手法により、それまでの外部費用を内部化した。つまり従来は環境汚染に対する費用弁償を求められなかったので、市場経済の中で環境負荷が考慮されなかった資本主義の外部不経済を補正する役割を担うものだ。
これは、上記のように歯止めが効かず野放図に増え続けてきた自動車や民生部門等からの化石燃料の浪費に対し、産業界・個人などの枠にとらわれず幅広く、排出量に応じた経済的負担をさせるための枠組みを設けることである。これは、市場原理に基づいて上記部門からの排出抑制に直接働きかけるものであるため、これを提唱する研究者や環境省などでは、二酸化炭素排出量の削減には、極めて効果的であると考えているようだ。
上記のように、炭素税は工場等を狙ったものではなく、自家用乗用車や民生部門などからの排出量を抑制する効果をメインに考えた制度である。しかしながら工場等が企業努力により削減量を積み重ねてきたという言い分によって日本経団連などが強く反対し、また当団体などが盛んに行っている政府与党へのロビー活動等の影響力もあり、環境税への理解が浸透せず、未だに実現の目処も立っていないようだ。
Aメタン・亜酸化窒素の排出抑制 -0.5%
Bライフスタイルの変更、革新的技術開発 -2.0%
ライフスタイルの変更、革新的技術開発による削減は、最も不確実な要素であり達成できる見込は薄いという。ライフスタイルの変更は、国民に我慢を強いることにつながりかねないこと、また、革新的技術開発は、それだけに頼りすぎてしまう傾向があることなど、最終的なしわ寄せがくる分野でもあることから、表記を避けている資料が多い。2005年度の二酸化炭素総排出量は13億6400万トンで、04年度の0.6%増となっているのが現状である。
C代替フロンの排出抑制 +2.0%
D森林による吸収源の確保 -3.9%
管理された森林の成長による二酸化炭素の固定効果を見込むものであり、削減リストの中で最も高いウェイトを占めているのだ。しかし、日本では新たに植林をする場所がほとんどない。むしろ森林所有者の管理放棄(特に人工林)や、相続税支払いのために売却・宅地転用を余儀なくされる山林や農地の増加、さらに都市部においては農地・山林の宅地化を図る制度を施行したり、保安林維持予算の縮減・営林署職員の大幅減員を行うなど、政府与党の政策はむしろ逆行してしまっている。このままでは当初見込まれた吸収量を達する可能性が薄いと考えられており、達成できるかどうかは微妙な情勢だ。
E排出量取引、技術供与による削減 -1.6%
排出量取引、技術供与などによる削減については、近年、京都メカニズムなどのルールづくりが進められているところだ。
2007年05月04日
京都メカニズムとは?
温室効果ガス削減のために行う、植林活動などのほか、他国の排出権を購入したり、より削減コストの低い国へ資金提供や投資を行い、その排出削減量を自国の削減量に還元することができる、世界を巻き込んだ社会的な仕組みのことである。これは一般に、クリーン開発のメカニズム、排出量取引のメカニズム、共同実施のメカニズム、吸収源活動の4種のメカニズムの事を示している。
@クリーン開発メカニズム
クリーン開発メカニズムとは、先進国が開発途上国に技術・資金等の支援を行い温室効果ガス排出量を削減、または吸収量を増幅する事業を実施した結果、削減できた排出量の一定量を先進国の温室効果ガス排出量の削減分の一部に充当することができる制度である。
A排出量取引のメカニズム
排出量取引とは、温室効果ガスを削減した結果、国連が削減量に対してERU(クレジット)を発行する。このクレジットを、先進国間の排出枠として企業や国が売買する制度。「排出権取引」とも言う。削減努力を阻害しないように上限値が定められることとなっている。
温室効果ガスの排出量を一定量削減するための費用は、国や産業種別によって異なる。例えば、未発達の技術を用いて経済活動をしている発展途上国では、すでに先進国で使われている技術を導入すれば、温室効果ガスを削減できるので比較的小さい費用ですむのだ。一方、これまでも環境負荷を低減するために努力してきた先進国では、さらに削減するためには新しい技術やシステムを実用化する必要があり、多大な投資が必要となってしまう。排出権取引の制度を導入すると、削減しやすい国や企業は、クレジットを売ることで利益を得られるので、削減に対するインセンティブが生まれ、より努力して削減しようとするのだ。これによって、社会全体としての削減費用が最も少ない形で温室効果ガスを削減することができると期待されているのである。
B共同実施のメカニズム
共同実施とは、投資先進国がホスト先進国として温室効果ガス排出量を削減し、そこで得られた削減量を取引する制度だ。つまり、先進国全体の総排出量は変動することはない。
C吸収源活動メカニズム
吸収源活動とは、温暖化対策の一方策として、「土地利用」あるいは「土地利用変化」のあり方を考えるものであると言える。京都議定書は第三条で、1990年以降の植林などで、CO2を吸収した分を、数値目標の達成に利用することを認めている。また、マラケシュ合意では、新規植林だけでなく、「森林管理」、「放牧地管理」、「植生の管理」を利用することも許容された。このため、既存の森林での吸収も削減分に算入できるようになったのだ。温室効果ガス排出量の削減義務の達成を難しいと考え、しかも緑被率の比較的高い国である日本、カナダが主張したものだ。
2007年05月03日
京都議定書の発効条件って何?
発効の条件は、以下の両方の条件を満たす必要がある。
@京都議定書を締結した国のうち、55か国以上の国が批准すること。
A京都議定書を締結した国(先進国・工業国)の、1990年の段階における二酸化炭素の排出量合計が、すべての国(先進国・工業国)の排出量合計の55%以上を占めていること。
(注1)
Aの条件について、世界最大の二酸化炭素排出国であるアメリカ合衆国が国内事情 により締結を見送っている。
(注2)
経済発展をおこなう以上、多量の二酸化炭素を排出せねばならないと考えた発展途上国が自発的参加を拒否し、当初は推進していたアメリカ合衆国も、後に受け入れを拒否することになった。また、ロシア連邦も受け入れの判断を見送っていたため、2004年ごろまでは議定書の発効が行われていない状況であった。なお、京都議定書から、唯一先進諸国で離脱している、アメリカは自己経済利益のみの考えに基づき、拒否しているとの非難を世界中から浴びている。
(注3)
2004年に、ロシア連邦が批准したことにより、2005年2月16日に発効した。
アメリカ合衆国は依然京都議定書から離脱したままである(2007年7月31日現在)。
2007年05月02日
京都議定書で議決された内容って?
京都議定書で議決された内容は、主に、以下の3つに分けられる。
@地球温暖化の原因となる、温室効果ガスの一種である二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六フッ化硫黄について、先進国における削減率を「1990年基準」として各国別に定め、共同で約束期間内に目標を達成するということ。
A京都メカニズム(排出権取引のメカニズム、共同実施のメカニズム、吸収源活動のメカニズムなど)が盛り込まれたこと。
B先進国全体の温室効果ガス、上記の6種類の合計排出量を1990年に比べて少なくとも5%削減することを目的としたこと。
2007年05月01日
京都議定書とは?そしてその背景は?
京都議定書とは、気候変動枠組条約に基づき、1997年12月11日に京都市の国立京都国際会館で開かれた、地球温暖化防止京都会議で議決された議定書である。正式名称は、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書である。
京都会議の議長国であった日本には、会議を成功させるという、国内外の世論によるプレッシャーがかかっていたのだった。会議をまとめやすくするという外務省の思惑と、国内の温暖化対策を加速させたいという環境省の思惑とがあり、各国の削減目標を数値化することを会議に提案した。
日本の数値目標が-6%になったことに、科学的な根拠はなかったようだ。日米欧の非公式会議で-6%(日本)、-7%(米)、-8%(欧)が提案されることになった。アメリカと日本が足並みをそろえたのは、発展途上国の参加を促すためであった。
しかし、米上院はバード・ヘーゲル決議を採択していたので、発展途上国が参加しない場合などの場合には、上院が京都議定書を批准しないことが決まっていた。また、欧州やロシア、米国は、それぞれの国のエネルギー事情から、数値目標が達成可能かどうかや、経済に与える影響をあらかじめシミュレーションしていたことに対して、日本は6%に対して、理論的裏づけがないにもかかわらず、合意してしまったようだ。
地球温暖化を考えよう!
〜地球温暖化とは?〜
地球温暖化(ちきゅうおんだんか)とは地球表面の大気や海洋の平均温度が長期的に見て上昇する現象だ。地表・水系内の生態系の変化や海水面上昇による海岸線の浸食といった、気温上昇に伴う二次的な諸問題まで含めて表現されることもある。特に近年観測されている(更に将来的に予想される)20世紀後半からの温暖化についてをいうことがほとんど。単に「温暖化」と表現することもある。現在、温暖化が将来の人類や環境へ与える悪影響を考慮して、さまざまな対策が立てられ、実行されつつある。
〜地球温暖化の概要〜
近年、地球表面の大気や海洋の平均温度は上昇傾向を示しており、これによる、海面水位の上昇や、気候変動が観測され、生態系や人類の活動への悪影響が懸念されるようになっている。この地球温暖化は、人間の産業活動から排出された温室効果ガスによって引き起こされているとするのが有力説だ。2007年2月には国連の『気候変動に関する政府間パネル』(IPCC)によると、人為的な温室効果ガスが温暖化の原因である確率は「90%を超える」ということだ。
最新の予測では、2100年には平均気温が最大推計で6.4°C、海面水位は平均推計で38.5cm上昇する予想されている。海面水位上昇は1980年代には数mの上昇が予測されていたが、1990年代にはIPCCにより67cmと予測され、2001年には48.5cmと予測されており年々上昇予測の水準が低下している。また、「たとえ二酸化炭素などの温室効果ガスの濃度が安定化したとしても、温暖化を止めることはできない」と言っている。
気象観測や地質調査により収集されたデータによると、1800年代の後半から、地球の平均気温は過去に例を見ないような急激な上昇を示しているのではないかとの見解もある。その原因としては、大気中の温室効果ガスである二酸化炭素が短期間で急激に増え、その濃度が上昇したためとするのが有力説だ(温暖化人為説)。温暖化人為説によると、主に化石燃料の燃焼、農業、森林破壊などによって、二酸化炭素や他の温室効果ガスが増加したことが温暖化の大きな原因であるとする。
人類の活動の影響量、および将来の温暖化の影響に関する予測は、超長期を対象として地球全体の大気や水の状態を計算する必要があり、膨大な計算量が必要である。計算量を抑制する必要性から、こうした予測はある程度の不確実性がともなう。予測精度を上げる努力が続く一方、こうした不確実性を批判する見解もたびたびみられる。
温度の変化は気候変動の一つの側面に過ぎないが、気候変動に対する科学的な見解としてはIPCCやG8参加国などの各国学術会議によって、
1800年代後半から平均的な地球気温が0.6±0.2°C上昇し、1900年代前半の温暖化は自然の活動が原因である可能性が高く、1900年代後半の温暖化は人類の活動が原因である、という見解が支持されているようだ。さらに、IPCCの第3次報告書では、重要と見られている気候変動要因のごく一部しか考慮されていなかったが、この問題を改善したモデルを使って1900年代を再現した結果から、1900年代前半の温暖化は火山活動の低下と太陽活動の上昇が原因である一方、ここ30年程度の温暖化は人間の活動が主因である事が算出されたのである。
IPCCによると、基本的な科学知識や観測を基にした研究、「気候モデル」(GCM)の検証から、「1990年から2100年にかけて気温は1.4-5.8°C上昇する」と予測されている。この現象が起きると、海水面上昇、降水量の変化やそのパターン変化を引き起こすとされる。このような変化は、激しい異常気象を増加させる原因にもなりうる。考えられるものとしては、洪水や旱魃、酷暑やハリケーンの増加などだ。温暖化はこれらの発生頻度を増加させ、その規模も大きくするとも考えられ、その確度や影響の評価が行われている。これらの気象変化が農業への影響や、生物種の絶滅に関係することもありうる。大局的には地球温暖化は、地球全体の気候や生態系に大きく影響すると予想されているが、個々の特定の現象を温暖化と直接結びつけるのは、現在のところ極めて難しいといえる。
また地球温暖化には、二酸化炭素をはじめとする人類起源の温室効果ガスの排出が大きく影響していると予測されているが、予測には不確実性が伴い、その影響量の見積りにはまだ幅があるといえる。このような不確実性などを理由に、近年の温暖化は人類の活動が原因とは証明できない、と主張する意見もあることも事実である。また、現在はもっぱら科学的根拠に基づく議論よりも先進国間、先進国と発展途上国間の利害対立に伴う政治的意図に基づく議論が先行している、との意見があるのも事実である。
2007年2月、パリで行われたIPCC第1作業部会にて、第4次報告書の自然科学的根拠に関する報告書が承認された。第3次報告書と大きく変わったのは、「温暖化は人為的な温室効果ガス放出の影響が原因であることは、90%以上の確率で正しい」としている所ではないか。 人為的活動が原因であるとする根拠や、気候モデルによる今後の気温上昇予測等はほぼ前回と同じ内容だった。
すでに、地球規模での平均気温の上昇や、それに伴う海水面の上昇は現実のものとなっているのだ。また一度、環境中に増えた二酸化炭素は、能動的に炭素を固定しない限り、約100年間にわたって地球全体の気候や海水に影響を及ぼし続けるだろうと予測されているのである。
1980年代前半頃までは、「地球寒冷化」が学界の定説であったようだ。ところが、1988年、アメリカ上院のエネルギー委員会の公聴会におけるNASA所属のJ.ハンセンによる「最近の異常気象、とりわけ暑い気象が地球温暖化と関係していることは99%の確率で正しい」との発言が「地球温暖化による猛暑説」と報道されたことを契機として、当時の『ニューズウィーク』誌等の雑誌やTV放送等のメディアを通して一般に広まったのである。公聴会の議長を勤めた上院議員のティモシー・ワースは過去の気象から最高気温が記録された日を公聴会の開催日に選び、当日は委員会の冷房を切るなどの行為を行ったといわれているようだ。その後、ティモシー・ワースは、1997年にCNNの創業者であるテッド・ターナーによる10億ドルの資金提供によって設立された、環境問題(特に、地球温暖化問題)への取り組みを活動の柱とする国連財団の筆頭理事に就任した。
「オゾン層の破壊(オゾンホール問題)」と同様、厳密には、「人為的な原因を除いては説明できないため、それを制限する」という考えに基づくさまざまな会議が開かれ、対策が考えられている。気候変動枠組条約の採択は、1992年6月にリオ・デ・ジャネイロで開かれた環境と開発に関する国際連合会議(地球サミット)で行われたものである。そこで中心的役割を果たしたのが、当時ブラジル環境大臣でもあった原子物理学博士ホセ・ゴールデンバーグだ。
地球は温暖化しつつあり、人類の排出した温室効果ガスがそれに重要な役割を果たしているということは科学的なコンセンサス(合意)となっているが、これに疑問を呈している科学者も決して少なくないとする。このコンセンサスはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)で要約されており、2001年にまとめられた第3次報告では、最近50年間に観測された温暖化のほとんどは、人間活動に起因するものであり、残された不確実性を考慮しても、温暖化の大部分は温室効果ガス濃度の増加によるものであった可能性が高いと考えている。この姿勢は最近G8構成国およびブラジル、中国、インドの科学者により構成される国際グループ「気候変動に対する世界的対応に関する各国学術会議の共同声明」で支持されたのだった。
世界の地上平均気温は、上下1.5°Cの範囲で、400-500年以上かけて温暖化または寒冷化といった形で上下しているとされる。15世紀からは比較的寒冷な期間(小氷期)が続いていたが、これは19世紀ごろまでで終わり、過去1世紀ほどの地球上の(陸地及び海域の)温度は0.6 ± 0.2°C(日本の気温は約1.0°C)上昇し、特に1980年以降の約20年間の上昇はますます顕著に現れてきている。大気中の二酸化炭素は1800年のおよそ280ppmから1958年には315ppm、2000年には367ppmと200年間で31%増加し、他の温室効果ガスも増加しているのである。将来の二酸化炭素濃度は実際は、経済、社会、技術、自然開発などの不確かな状況に依存するが、このまま化石燃料の使用を続けると更に増加すると予想されるのだ。IPCCではその点を考慮して幅広い排出シナリオを予想しているが、それでも2100年には540ppmから970ppmに到達するとしているようだ。
気候モデル(全球気候モデルGCM)では、二酸化炭素の増加や、一般に気温を低下させるとされる硫酸エアロゾルの減少によって、気温は1990年から2100年にかけて1.4°Cから5.8°Cの幅で上昇すると見積もり計算されている( 注: 予測ではない)。この見積もり幅は将来の二酸化炭素の排出量の見積もりの違いや、気候モデルの不確実性にあるようだ。もし温室効果ガスと太陽活動のレベルがこのままの状態だとしても、次の100年で地球は0.5°C温暖になると予想している。これは海洋では温暖化に対して遅れて影響が出るからだ。現在、さらに信頼性を高めたモデルによる検討が進められているそうだ。
科学的コンセンサスと経済的な動機が合致して、150カ国以上の国で京都議定書を批准するに至っているが、どれだけの温室効果ガスの排出でどれだけの温暖化が進むかについてはいまだ議論のあるところだ。何人かの政治家や政治学者、経済学者、ジャーナリストは、地球温暖化を軽減・緩和するのに必要なコストが莫大になることを主張している。しかし、経済界では、なんらかの対策(排出権取引や炭素税など)が必要であるとしている団体も多いことは見逃せない。また、2007年の主要国首脳会議(ハイリゲンダムサミット)では、日米で温暖化対策として、原発推進を明記する提案がなされたのだった。
地球温暖化の原因は、「温室効果ガス」説がもっとも有力である。
大気の研究では、他の変化が無くとも温室効果ガスが大気中で増加すると、惑星表面を暖める効果(温室効果)があることがわかっていた。温室効果ガスは、主に水蒸気や二酸化炭素、メタン、煤(すす、厳密にはガスとは呼べないが、同様の特性を有するため温室効果ガスに含める場合もある)などのことだ。これらの温室効果ガスは、太陽から流入する可視光の日射エネルギーは透過させて地表面を暖め、地表から放射される波長の長い赤外線は吸収しやすい性質を持っている。そのため温室効果ガスが増加すると、地球に入る太陽放射エネルギーと地球から出る地球放射エネルギーとのバランスが崩れ、バランスが取れるようになるまで気温が上昇し、地球温暖化が進むと想定されている。
実際、温室効果ガスは現在の地球を平均約14°Cの「温室」状態に保っており、それが存在しなければ地球の温度は現在よりも30°C低くなり、高等な生物が存在することが不可能になるといわれている。
説の要点は、CO2とCH4の増加量による正味の影響力、および水蒸気量の変化や雲の発生、生物圏など他の様々な要因が、温暖化を打ち消す効果とのバランスにあるようだ。しかし、過去50年観察される地球の温暖化からは、この気候のフィードバック効果が温暖化を打ち消す効果は認められていないらしい。
〜温室効果ガスの排出と大気中の濃度との関係〜
大気中の温室効果ガスの増減傾向を考えてみよう。各月の計測から、小規模の季節変化が示されている化石燃料の燃焼、セメント生成、土地利用の変化などによって、毎年約73億トン(2004年、炭素換算ベース。2000年、オークリッジ国立研究所による二酸化炭素換算の推計では230億トン。)の二酸化炭素が人為的に地球の大気中に排出されているのだ。これらのガスのうち、約半分の毎年約31億トン(2005年、環境白書による)が自然に吸収(固定)され、そのうち毎年約17〜20億トンが海洋、約11〜14億トンが植物などによる吸収で、残り半分は大気中に残るという考え方が主流だ。しかし、これは「自然に放出される二酸化炭素はすべて吸収され、そこで余った吸収能力で人為的な放出の半分が吸収され、残りが大気中に残る」、つまり大気中の二酸化炭素は「全部吸収されるもの」と「半分吸収されるもの」に分かれることを示しており、科学的に考えて不自然であるとの意見もある。この場合、年間約2171億トンの二酸化炭素が大気中に放出され、年間約2138億トンの二酸化炭素が吸収されており、大気中の二酸化炭素の量は年間約33億トン増えている(以上、2004年以前のデータ、NASAによる)と考えると自然な形になるのではないか。このほか、数十種類の温室効果ガスも人為的に大気中に放出されており、それぞれ循環を経て大気中の濃度が高まっていると考えられている。
大気中の濃度は、1750年の産業革命が始まってから、二酸化炭素は31%、メタンは149%分増加(2001年、WDCGGによる)しているとされる。これは、氷床コアから得られた信頼できるデータが得られている過去65万年の間のどの時期よりも高くなっている。二酸化炭素がこれよりも高い値を示すのは、間接的なデータであるが4千万年前までさかのぼるとされているのだ。二酸化炭素濃度を最も長期にわたって実際に計測しているのは、マウナ・ロアの観測からであり、1958年に始まったようだ。マウナ・ロアのデータでは年間平均値は315ppmから単調的に増加し(キーリングのカーブ)、2003年には濃度は376ppmに達しているが、南極でもほぼ同様の変化を見せているようだ。
水蒸気とオゾンを除いたほぼすべての温室効果ガスは、炭素原子を含む物質であり、温室効果ガスの濃度を考える上で、地球上での炭素循環のシステムを理解することが大事な事である。
ハワイのマウナロアで1958から2004年までに観測した大気中の二酸化炭素濃度は、火山活動やシベリア、オーストラリアの自然的発火による山火事など、自然現象に起因して発生する広域の自然火災によっても大量に発生している。人為的に発生する二酸化炭素量は、石炭を用いた火力発電や自動車の排気ガス、工場の排気など化石燃料の燃焼がもっとも多かった。熱帯雨林を破壊する焼畑農業も主要な原因であると想定されている。
また、二酸化炭素は海中にも直接取り込まれ、降雨に溶け込み湖沼に流れ込み、最終的に海洋にも流れ込むのである。炭素自体は単体または化合物として、地球上のほとんど全ての化石燃料や生物にも含まれるのだ。要するに炭素は、海中のサンゴなどに炭酸カルシウムなどとして海水含有分から取り込まれ、森林の木々の組成には大気中や地中の水分などから吸収されるのである。
この両者に吸収されている炭素量は、人類による環境破壊や資源としての利用の結果、年々減少傾向にあるが、そのことも、間接的にも人為的に二酸化炭素を増やす要因となっている。
なお、大気中の二酸化炭素は、地球上の全炭素量の3%にすぎず、最大限見積もってもその中での2/3以下が直接人為的要因であるとする見解がであり、その量の範囲内で、期限を設け排出量の削減をするという議論をしているのが現実だ。
二酸化炭素の増加そのものが生態系に及ぼす影響も確認されている。二酸化炭素が海水に溶解することで海水が酸性化し、海棲生物の餌となる一部プランクトンの殻やサンゴが溶解し、海洋の生態系に深刻な影響が及ぶ可能性も考えられている。しかし、これは化学平衡の概念を無視した暴論であり、水中に溶解した炭酸イオンは造礁サンゴなどの骨格成分である炭酸カルシウムの溶解度を下げることはあっても溶解させることはないようだ。マスコミ向けにこのような理論を喧伝する理由はまったく不明であるとしかいいようがない。
地球上に排出または発生するメタンガスは、野牛や家畜の牛・羊などによる呼吸だけで25%を超え、他に肥料、天然ガスや水田、ゴミの埋め立て、化石燃料の燃焼などで年に2億5千万トンが放出されているそうだ。そのため現在、家畜においては、バイオテクノロジーによる飼料の開発が進められているそうだ。海底から噴出するメタンに限定するなら、単体のメタン同様、近年、海底内に大量に存在することが発見されたメタンハイドレートによる影響も、(発見されて間もないために調査不足ながら、)少なからずあるとの主張もあるようだ。深海部の平均水温が2-3℃上昇すると、海水に接しているメタンハイドレートが一気にメタンガスに変わり、メタンハイドレートの160倍以上のメタンとなるといわれている。さらに、海底部の水温が上昇する環境下では、海水全体の温度が上昇し、二酸化炭素同様、メタンが水中に溶けきれず、空中に放出されてしまうのだ。メタン単体は熱吸収率が高く、温暖化現象を促進するとされる。また、それがさらに海水温を上昇させ、ハイドレート融解に影響するといった形で、悪循環にもつながると考えられている。
温室効果ガス説→水蒸気編
二酸化炭素やメタンに比べ、水蒸気は大気中に存在する量も、赤外線の吸収量共に桁違いに多いのだ。二酸化炭素の吸収できる赤外線の波長域は限られているが、赤外線の吸収率から言えば、メタンは二酸化炭素の40倍以上であり、水蒸気はさらに高いのである。その一方、水蒸気は地上付近で熱を奪って蒸発し、雲となって日光を遮るなど、温暖化を強く抑制する働きも持っている。代表的な例としては、下記のようなものがある。
高空で凝縮する際に放熱し、雨や雪氷の形で地上に戻るサイクルを通じて宇宙空間への放熱を促進。
雲が増えることで太陽光の宇宙への反射率が高まるはず。
二酸化炭素やメタンの場合はこのような作用が無いのだ。
このように水蒸気は温暖化に関して、互いに相反する作用を併せ持っている。このため、実際には水蒸気の影響を計測することは非常に困難であり、最終的な影響の評価には雲や降雨を含めた大規模な数値シミュレーションをおこなう必要がある。
なお、仮に水蒸気の増加が最終的に温暖化を促進する場合は、気温の上昇でさらに大気中の水蒸気量が増え、それがさらに気温の上昇を招くポジティブ・フィードバック(水蒸気フィードバック)が発生する可能性が主張されている(これを暴走温室効果と誤解している人も多数いるようだが、人為的な温室効果ガスの増加で暴走温室効果が引き起こされることはまずありえないといってよい)。
ただ、水蒸気を含む地球上の水の循環は地球生誕後の40億年以上を経て大きな平衡を成立させている。人類が何らかの形で関与できる「水」は地球上に存在する水の0.01%にすぎないそうだ(この数字は出典によって多少異なるが)。また、排出された水蒸気は平均10日で雨などになって、直接には温室効果と無関係になるなど、寿命がとても短いのだ。さらに、この全てが温室効果に働くとは考えにくいだろう(大気中の水蒸気のうちごく微量でしかない成層圏の水蒸気量が、温室効果に大きく関係しているという説もあるにはあるが)。そういう意味では、人為的要因で発生する「水蒸気による温室効果」はおそらく無視できるレベルだろうと考えられる。
いわゆる温室効果ガスによる温暖化の効果は水蒸気の影響よりさらに小さい。つまり、温室効果ガスを原因とする地球温暖化に、水蒸気は根拠が薄いと考えられがちだ。しかし、水は三態全てが自然界に存在する唯一の化学物質であり、他の理由で発生した温暖化・寒冷化などの現象をその巨大な潜熱で貯めこんでしまうという性質を持っているのである。また、蒸発・上昇・凝結・下降といった対流の過程の中で地上の熱を上空高くへ運搬する役割も持っているのだ。つまり、水は熱を吸収するとともに運搬して、気候の空間的・時間的変動を平滑化する強い作用(負のフィードバック効果)を保有している。そのため、水蒸気はその存在量や赤外線吸収率に比べて、加熱の効果は非常に低いと考えられており、相対的に温室効果ガスによる効果は大きくなることになるのだ。しかし、水蒸気の効果が、地球温暖化の進捗にとって、どの程度であるかは科学的見解においても意見が分かれるところだろう。
温室効果ガス説→その他
上記の他、パーフルオロカーボン類や六フッ化硫黄なども強力な温室効果ガスだ。人為的に排出される他の汚染物質である硫酸エアロゾルは冷却効果に働いており、この効果は前世紀の中盤の寒冷化に関係しているのではないかともいわれている。
温室効果ガス説→自然破壊による温室効果ガスの放出
間接的に人類が関与している例として、環境破壊や水質悪化により海底に生息するサンゴが減少し、海水中の二酸化炭素が取り込めなくなり、大気中に大量に放出されるという問題もあるのだ。また、森林の伐採、焼畑農業による光合成の能力低下(成長に伴う細胞を構成する元素として取り込む炭素量の減少)による二酸化炭素量等、放出量や減少能力の潜在的低下も指摘されている。
太陽の放射が直接気候に与える影響は実質的には小さいとされているが、いくつかの研究チームによると、その効果を間接的に強化するフィードバックがあり、雲の形成過程やその他の気候変動に何らかの影響を及ぼしているのではないかと指摘されている。
IPCCの第3次報告書では、1950年以前の気温変化の原因の半分は火山および日射量の影響であるが、それ以降ではこのような自然強制力の影響は強くないと指摘している。特に、1750年以降の温室効果ガスによる気候の変化は、同時期の太陽活動の活発化によって起きたであろう変化より8倍大きいと結論付けられた。
AR3(第3次報告書)以降も様々なレポートがあり、これらによれば、その影響は温室効果による温暖化の16%から36%程度であると見積もられているそうだ。
現状では太陽放射における可視光の変動は非常に小さく見積もられており、地球温暖化に大きな影響を及ぼすほどではないとされているが、その一方で、より変動の大きい紫外線や太陽磁場が気候変動に少なからず影響を及ぼしているのではないかと主張する学者もいるのである。
たとえば、太陽から放射されている磁気雲量が変化することにより、地球に届く銀河からの宇宙線量が変化し、その宇宙線に誘起され形成される地球を覆う雲の量が変化して間接的に気温の変動をもたらしているという説(スベンスマルク効果)も存在する。ただし、宇宙線量の変化が雲の量にどれだけ影響するのか、雲量データの解析の精度は十分なのかといった不明な点があり、この説については賛否両論あり、温暖化の原因として取り入れるにはまだ早いようだ。この説を裏付ける観測データを得るには、数十年かかるのではないかと主張されている。
また、赤道準二年周期振動(QBO)と太陽活動の関連や北極振動(AO)と太陽活動の関連などが、近年、注目を集めるようになりつつある。月の潮汐力の変化とエルニーニョ、ラニーニャとの関連も主張されている。これは月の潮汐力が熱塩循環の駆動力として働いているためといわれているようだ。このように地球の気候変動は二酸化炭素の増加だけではなく、太陽活動や月などの天体活動からの摂動が大きく影響している可能性も主張されているのである。
「オゾン層を破壊する」という理由により使用禁止もしくは使用制限されたフロン系ガス(代替フロンを含む)も温室効果ガスであり、その放射強制力は0.34±0.03W/m2、もしくは温室効果ガスのトータルの放射強制力の14%と見積もられているようだ。しかし、地球温暖化とオゾン層減少は、実際はそれほど関係ないようだ。
オゾン層破壊と地球温暖化の関係についてはいくつかの議論がある。
二酸化炭素の放射強制力による温暖化は、おそらく成層圏を寒冷化させると予想されている。一方この効果は、相対的にはオゾン層を減少させオゾンホールの発生頻度を増加させている。
逆にオゾンの減少は、気候システムで正の放射強制力を示している。
これについては、オゾンの減少は太陽放射をより通過させ対流圏を暖める効果と、寒冷化した成層圏が長周波の放射を減少させ対流圏を冷却するという、対立する効果をもっている。この結果、全体的に見ればオゾン層の減少によって寒冷化が進むことになるとされているようだ。IPCCは「過去20年観測された成層圏のオゾンの減少は、表層対流圏システムでは負の強制力 となる」と結論付け、その値はおよそ?0.15±0.10W m?2と見積もっている。
地球温暖化によって成層圏が非常に高い可能性で寒冷化するとされているが、オゾン層の破壊によっても類似した寒冷化が起こるので、オゾン層を温暖化の原因として扱うのは困難である。
温暖化の研究ではコンピューターモデルを用いた気候研究が行われているようだ。。使われるモデルは、実際の気候変化(季節変化や北大西洋振動、エルニーニョなど)の観測事実とシミュレーション結果が良く一致するものだ。これらの全てのモデルの結果が、温室効果ガスの増加は、将来的に気候を温暖にするであろうと示しているのだ。しかし、温暖化の程度予測はそれぞれのモデルによって異なり、これは雲についての評価の違いを反映していると考えられる。
気候モデルはIPCCでも用いいられ、1990年から2100年の間に1.4℃から5.8℃上昇すると予想されている。また、気候に対する強制力として働く(自然原因および人為的な原因)様々な要素をシミュレーションした結果を、これまで実際に観測されたデータと比較することによって、近年の気候変化の原因を推測することも出来るようだ。最新の気候モデルでは、過去1世紀の地球規模の気温の観測データと、よく一致する結果が得られたのである。これらのモデルでは、1910年から1945年頃に起こった温暖化が自然の変化なのか人類の影響なのかは明らかに示されてはいないようだ。しかし、1975年以降の温暖化は人類が排出した温暖化ガスの影響が極めて大きいものであるとされている。
IPCCの第三次報告書による将来の気候変動は、次のシミュレーション結果にもとづいて見積もられているのだ。
全ての結論は、GCM(全球気候モデル)を使って数百km以上のいくつかのスケールに適用したシミュレーションを参考にしている。それぞれの気候変動シミュレーションは、1990年から2100年の期間にわたって行われ、温室効果ガス濃度の変動と硫酸エアロゾル排出の直接影響の変動の、様々な予想によるシナリオ全体の幅を考慮している。
沢山あるモデルのうちで数少ないAOGCM(大気-海洋結合モデル)ではオゾンによる影響や間接的なエアロゾルの影響も考えられているようだ。ほとんどのモデルでは、重要視されていない強制力やまだよく分かっていない強制力、例えば陸上表面の変動や、黄砂などの土壌粒子、黒粒子などなどについては全く考えられていない。また、AOGCMシミュレーションであっても、太陽放射強度や火山灰濃度の変動などは考えていない。なお、AOGCMシミュレーションは計算機資源に対して複雑すぎてほとんど行えなかったため、結論はずっと単純なモデルにもとづいて見積もられているのだ。したがって、結論はAOGCMによるものとはやや異なっているのが現実である。
結論には使われなかったAOGCM実験では次のようになった。全球平均のSAT(表面気温)が、1961年から1990年までの平均と比べて2071年から2100年までの平均の変化では、SRES草案のA2シナリオで+3.0℃、SRES草案のB2シナリオで+2.2℃となったのである。
シミュレーションに、地球が持っている二酸化炭素を吸収する能力を加えると、化石燃料からの二酸化炭素の排出が増加するにつれて、大気中から吸収源(陸上生態系や海洋)への吸収能力が減少し、その結果、気候の変化が急激にあらわれ、予想を超える温暖化を招くという結果が示されるのだ。しかしこのモデルでは、気候変化は水理学的及び生態学的な影響で相殺されて結果的に小さくなるため、21世紀の終わりの温暖化速度はまだ小さいと考えている。
他にも、温暖化によってツンドラの溶解が進み、永久凍土や氷クラスレートに大量に含まれている強力な温室効果ガスであるメタンを放出させ、更に温暖化を促進するというメカニズムが考えられているようだ。
雲に関するモデルが進歩しているにもかかわらず、これの取り扱いについてが現在のモデルにおける不確かさの一番の要素となっているようだ。現在でも議論中のものとして、間接的かつ重要な要素である、太陽放射量の変化のフィードバック効果を気候モデルにどう組み込むか、という問題点もあるようだ。さらに、これらの全てのモデルは、コンピューターの能力に限定されるので、小さな規模の気象現象(例えば嵐やハリケーン)を見落とす可能性もあるのだ。しかし、これらの制約を除いても、IPCCでは気候モデルは将来の気候の推定に適した手法として有用性があると見込んでいる。
2005年12月、Bellouin他は雑誌ネイチャーに、空気中の汚染物質が持つ日射の反射効果(日傘効果)が従来考えられている2倍あり、実際の温暖化の何割かがそれに隠れさていると述べているのだ。この説が将来的に裏づけされると、従来のモデルは温暖化を過小評価しているということになってしまうから驚きだ。
モデルの確実性については、大気循環や炭素循環といった各種モデルの結合が進み、コンピュータの処理能力も上がっていることから、入力内容に対する忠実性は向上していると思われる。しかし、実際の気候をどれだけ再現できているか(再現性)については、研究機関側は少しずつ良くなっているとしているが、これは実際の気候のメカニズムをどれだけ解明できているかに依存しているため、異論も多い。
気候モデルは、実際の地球の気候をそのまま再現しているのではなく、実際の地球で解明されている現象を再現しているだけだ。地球温暖化による影響の予測に関しては、気候モデルによる予測が最も信頼できるようだが、IPCCをはじめ将来の気候の予測やそれに基づいた対策は、気候モデルの結果をもとに行われているのである。しかし、気候モデルはあくまで人間によって解明されている、物理法則や気象・気候のメカニズムをプログラム化したコンピュータに過ぎないのだ。そのため、解明されていなかったり誤解されている現象が気候システム内にあれば、そのシミュレーション結果は間違った結果を出していることになってしまうことに留意する必要がある。
温暖化人為説懐疑論、あるいは二酸化炭素温暖化説懐疑論者が、気候モデルによるシミュレーション結果や、これをもとにした対策の無効性を訴える背景には、「人為的にまたは二酸化炭素によって、温暖化することを前提にした気候モデルで計算をしているので、結果もその通りになるのは当たり前である。気候モデルの結果から気候変動の原因を導き出すことはできない」という考え方もあるようだ。つまり、温暖化の正しい原因を解明し組み入れたモデルでなければ、意味がないということだろう。
地球の平均地上気温は、35のシナリオと複数の気候モデルによる計算によって、1990年から2100年までの間に1.4-5.8℃上昇すると予測されているようだ。これは過去1万年の間にも観測されたことがないほどの大きさである可能性が「かなり高い」とされているのだ。
北極域では温暖化による影響がもっとも顕著に現れているともいわれており、AR4によると北極の平均気温は過去100 年間で世界平均の上昇率のほとんど2 倍の速さで上昇したとしているのだ。また、1978 年からの衛星観測によれば、北極の年平均海氷面積は、10年当たり2.1〜3.3%(平均2.7%)縮小していることがわかっている。
陸域に於いては、最高・最低気温の上昇、気温の日較差の縮小などの可能性がかなり高いと予測されているようだ。
氷床コアの分析から、過去地球が温暖化することによって大気中の二酸化炭素やメタンガスの量が増えているというデータがあるようだ。現在起きている温暖化によって、海中からそれらの温室効果ガスが放出され、さらに温暖化が促進されるという正のフィードバック効果が懸念されているのである。
@異常気象の増加と気候の極端化
気象現象への影響は一括して「異常気象の増加」、気候への影響は「気候の極端化」と表現されることがあるようだ。平均的に地上気温は上昇すると考えられているが、その変化は均一ではなく、場所によって上昇幅が異なり、また、期間によって低下したりと、時間によっても異なる現実がある。そのため、地上の温度分布が変わることによって気圧配置が変わったり、これまでとは異なる気象現象が発生したり、気象現象の現れ方が変わったりすることが考慮されている。
例えば、チベット高原などの気温上昇によって偏西風が蛇行しやすくなり、東アジアにブロッキング高気圧が現れやすくなり、異常気象が発生しやすくなるなどの影響が予想されているようだ。チベット高原の気候変動はこのほかにも、梅雨の期間・降水量や冬季における寒気の流入、春や秋の低気圧の勢力・進路などを左右し、日本周辺の気候に大きな影響を与える可能性があるとの研究結果もあるのだ。
また、アメリカ南東部・東部の海水温上昇により、竜巻の発生域が南東部や東部に広がっており、温暖化によってこの傾向に拍車がかかる可能性が示唆されている。IPCCの第4次報告書では、抽象的表現ながら、ほとんどの陸上で寒い日・寒い夜が減少、暑い日・暑い夜が増加し、全体的に昇温傾向となるのはほぼ確実とされているほか、高温や熱波・大雨の頻度が増す可能性がかなり高く、干ばつ地域の増加・勢力の強い熱帯低気圧の増加・高潮の増加がもたらされる可能性が高いなどと言っている。
また、温室効果が強まると成層圏や対流圏上部の気温が低下し、地上との気温差が増して大気の対流が強まり、気象現象も強まるとの考え方があるようだ。これにより、例えば勢力が強い低気圧が増えたり、積乱雲の勢力が強まったりといったことが予想されるのだ。しかし、成層圏の気温には、オゾン濃度の減少による気温低下、エアロゾルによる日傘効果など、科学的に詳しく解明されていない点がある要素が関わっており、上昇するのか低下するのかは定かではないことも指摘されている。
A降水量の変化
複数の気候モデルのシミュレーションによれば、大気中の水蒸気量の増加により、平均降水量は21世紀中は増加すると予測されているようだ。平均降水量の変動幅の増大や豪雨の増加の可能性がかなり高い地域が多く、また旱魃の増加の可能性が高い地域もあるようだ。平たく言えば、平年通りの雨の降り方をすることは少なくなり、極端に少なかったり、集中豪雨となったり、長雨になったりすることが増えるということだ。アマゾンでは、大西洋の海水温上昇によって海洋での対流が活発化し、熱帯雨林への雲の流れが弱くなり、乾燥化すると考えられる。また、中央アジアやアフリカの乾燥地域でも降水量が減り、乾燥化や砂漠化が進むと予想されているが、これには森林伐採や過放牧といった他の要因も深く関係しているようだ。
地球全体の気温が上昇し、陸上の氷床・氷河の減少や海水の膨張が起こると、海面上昇が発生する(「北極海などの海氷が溶けても海水準は上昇しない」と言われることが多いが、海氷の成分は淡水に近いために、海水との密度差によりわずかながら海水準の上昇が起こるとされる)オランダ、ドイツ北部、デンマーク、バングラデシュ、ベトナムなど海抜以下の地域を抱えた各国、オセアニア諸国、モルジブなどの海抜が低い島を擁する地域にとっては、差し迫った問題となっている。既にツバルでは集団移住が計画されており、今後この様な海面上昇による移民(環境難民)の発生が予測されているようだ。(ただし、オーストラリア国立潮汐研究施設がツバルの首都フナフティに設置した潮汐計では、これまでのところ平均海面高の変化は示されていないなどの報告もあるが)IPCCの第3次報告書には、西暦2100年までに30cmから1mの海面上昇が起こるだろうと見積もられているようだ。
AR4によれば、ここ1993-2003年の間に観測された海面上昇は、熱膨張による寄与がもっとも大きい値を示している(1.6±0.5mm/年)。ついで氷河と氷帽(0.77±0.22mm/年)、グリーンランド氷床(0.21±0.07mm/年)、南極氷床(0.21±0.35mm/年)とつづいているのだ。。
〜南極について〜
南極について、第3次報告書では温暖化の結果、降水量が増加するために、氷床の体積が66−90%の確率で増加する(つまり南極のみの影響では海水面が下降する)とされていたが、IPCCの第4次報告書(AR4)では「将来増加する可能性も減少する可能性もある」とされているから不確定な要素が多い。また、1993年から2003年までの間に南極氷床の影響で海水面が0.21mm/年上昇したとされている。また、南極の海氷面積には統計学的に有意義な傾向は見られないとし、この地域全体で平均すると昇温が認められないことと整合しているとされているようだ。
〜日本について〜
日本沿岸の海面水位に影響を与える原因は地盤沈下などの地盤変動と海洋の変動の二種類あるようだ。日本においては、小さな海面上昇でも汽水域の移動などの影響があり、汽水域を必要とするノリ、カキ、アサリなどの沿岸養殖を含む各種の漁業に、深刻な影響を与える。また、秋に起きやすい異常潮位による浸水区域の広域化を招くため、防潮扉、それに伴う排水ポンプの設置など、海岸沿いの地域経済及び自治体に多くの負担を強いることとなるから驚きだ。
また、東京などの沿岸部に近い都市部の、海岸に近い地域では、海面上昇に伴い、地下水の水位が上昇する。これにより、地下鉄など地下に埋設された空洞部分の地下水に対する浮力が増し、地下道の破壊を招きかねないのだ。この対策として、地下設備のアンカー固定を行う作業が必要となる。。温暖化との直接の関連性は見受けられないが、東京などでは近年、地下水の上昇に伴い、地下駅の浮力の上昇が問題となっているのである。
同時に、海面の上昇は地下水における海水の侵入をも意味する。日本の工業地帯は主に海岸部に集中し、多くの地下水をくみ上げ工業用水として使用しているのだ。すでに地盤沈下などで工業用水のくみ上げの規制は行われているが、これに海水が混入し始めると、工業用水としての利用はできなくなってしまう。このため、淡水化事業、ダム水利権など多くの問題が発生することとなるのだ。また、海岸に近い水田では、地下深くにあった塩分の層が地表近くに達し、干拓地などにおける水田では、稲作に深刻なダメージを与えることが懸念されているのだ。加えて、河川の塩水くさびの影響が中流域にまで達すると考えられ、平野部の農業用水や生活用水の取水に大きな影響を与えることも指摘されている。
地球規模の気温上昇に伴い、海水温も上昇するのだ。平均海水温が3℃上昇するだけで、東京湾に生息する魚類が熱帯魚になるともいわれるように、生態系が変化するといわれているのである。さらに、気温や降水量と同様に、海水温についても、今後平均温度が上昇するとともに、変動幅が大きくなることが予想されているようだ。これは、大気の流れや海流が変わったり、変動が激しくなったりすることによるもので、異常な低温や高温をもたらし、異常気象や生態系への影響をもたらす可能性があると懸念されてる。
また多くの予測モデルで、太平洋熱帯域でのエルニーニョ現象が強まるとの結果が報告されているのだ。
氷床や氷河は淡水であり、急激な気温の上昇によって極地の氷河が溶けると、海水の塩分濃度が低下し比重が小さくなるという。大西洋北部では地中海由来の塩分の高い海水が沈み込み、深層循環の一部をなしているが、極地方の塩分濃度の低下により沈み込みが弱まるためにメキシコ湾流が弱まり、それによって極地方は寒冷化し、赤道付近は温暖化するという予測もあるのだ。
また、海底に低温度の淡水が流れ込むことにより世界中の海流の勢いが弱まり、結果、北極と南極周辺の平均気温が下がり高緯度地方と低緯度地方との温度差が著しくなることで、高緯度地方の積雪につながり氷河の増加に繋がるという仮説もあるようだ。映画『デイ・アフター・トゥモロー』はこの仮説をもとに作られた作品である。
変動を繰り返している気候に、温暖化の影響が加味されることにより、いわゆる気候の極端化が発生し、干ばつや高温などが増えたり強まったりして、生物が危険にさらされるリスクが増すと懸念されている。また、地球温暖化とは関係のない人為的な活動による、いわゆる「自然破壊」によってもリスクが増すため、単独ではなく、2つの原因が重なっている場合が多いのだ。一方、気温の上昇により生息域が拡大したり餌が増えたりと恩恵を受ける生物も多いが、これをきっかけに生態系が激変する可能性も指摘されている。
主な影響例として、北西太平洋で顕著なサンゴの白化や北上(北半球)・南下(南半球)、寒冷地に生息する動物(ホッキョクグマ、アザラシなど)の減少などが挙げられるようだ。

