
奄美大島南部の林道で、国の特別天然記念物アマミノクロウサギが、野犬に襲われ大量死したことが11月14日(水)、環境省奄美野生生物保護センターの調査でに判明したようだ。地元の自然保護団体は「予期されていた最悪の事態」と、行政の野犬などへの対策遅れを痛烈に批判、緊急の対策を訴えているという。
12日、奄美市教委から緊急の連絡を受けた環境省奄美野生生物保護センターがアマミノクロウサギ死がい11体を回収。3体が白骨化していたが、解剖の結果、8体は首や腹に犬の犬歯による深い傷あとが見つかった。これが致命傷になったという。
アマミノクロウサギは文化財保護法で、死がいが発見された場合、滅失届が義務付けられる。同市教委によると、アマミノクロウサギの滅失届はこれまで多くて年1、2件。それが今回、1度に11体も見つかり「過去にない」と同教委を驚かせた。
3年前に宇検村の林道で野犬がアマミノクロウサギを襲う場面に遭遇したという「奄美野鳥の会」の会長は「あの時はわなで野犬を捕獲し、アマミノクロウサギの被害が4体だけで済んだ。被害はアマミノクロウサギだけに限らない可能性もある」と話しているようだ。
また、長年奄美の自然を観察する人は「心配されていたことが起こった。マングース、野生化した猫、犬、車と林道の周辺の生息環境は危うくなっている」と警鐘を鳴らす。
事態を重く見た同センターは同日、地元の保健所と連携、アマミノクロウサギが大量死した林道一帯に、野犬の捕獲わなを仕掛けた。今回のように大量に集中してアマミノクロウサギの死がいが見つかったのは初めて。
捨てられた犬が野生化し襲ったとすれば、今のところ住民などに飼い犬の適正な飼育を呼び掛けていくしかない。奄美大島には、国の天然記念物のアマミノクロウサギ、ケナガネズミやトゲネズミなど希少生物が多いからだ。
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